かつてこの世界は崩壊の危機に貧していた。
　しかし勇者達の活躍によりその窮地から救われ200余年。再生しつつある大地を開拓するべく、多くの人々がその力を奮う時代。
　かつての王家の血を引くアーコチンク家は、首都ヒカリから遠く離れた土地の開拓に勤しんでいました。
　しかしある時、突如現れた『侵食領域』に多くの農地を飲み込まれてしまいます。
　アーコチンクの当主は、莫大な費用をかけて領民たちを守ろうとしました。その結果、当座の危機を乗り切ることは出来ましたが、アーコチンク家は莫大な負債を抱えることになってしまったのです。
　侵食領域を活用するためのノウハウに乏しい国。領域の影響で首都や南の塔都ルカとの街道も破壊されている孤立状態の開拓地。そのため領域を攻略する『開拓者』を呼び込むことも難しく、その負債の返済の目処を立てることが出来ず、窮地に立たされたのでした。
　この物語は、そんな切羽詰まったアーコチンク家の一人娘が、自分にも何か出来ないかと奮闘する物語……。